自由な発想に満ちた曲ばかり

5月17日は
フランスの作曲家エリック・アルフレッド・レスリ・サティ生誕の日です。

1866年フランス北西部で生まれたサティは
教会のパイプオルガンに魅せられて
音楽を勉強するようになりました。

パリ音楽院に入学するも
保守的な体制が合わず数年で退学してしまいます。

それからは、酒場でピアノを弾くなどしながら
作曲活動をしていきます。
全作品の半数以上はピアノ曲です。

作品はどれも個性的で
自由な発想に満ちたものばかりです。

それまでの和声法などは無視し
調号
拍子記号
小節線などが
書かれていない曲も多く

また曲のタイトルも
「犬のためのぷよぷよした本当の前奏曲」
「ひからびた胎児」
「梨の形をした3つの小品」などなど

奇抜で驚くものばかりです。

しかし 幼少の頃 教会に通っていたことで
教会旋法などを取り入れて

個性的な形式やタイトルとは裏腹に
内容はとても知的で高度なものばかりです。

また
画家のピカソ や
詩人のコクトー など
音楽界以外の人々とも親交があり

さまざまな刺激が作品に反映されています。


ピアノ曲「官僚的なソナチネ」は
私たちがレッスンで良く弾く
クレメンティの「ソナチネOp.36-1」の
パロディです。

曲中のあちこちに書かれた
短い文章(コメント)は

一人の若い役人が
出勤してから帰宅するまでの
一日のストーリーになっていて

読んでいくと
クスッと笑ってしまいますが
そこから演奏のヒントも得られ
楽しいだけでない
奥深さを感じます。

ぜひ一度 楽譜を見ながら聞いてみてください。




伝統的なものにとらわれず
純粋に音楽と向き合ったサティは

同世代のドビュッシーや
その後のラヴェルにも影響を与えるなど

現代音楽のパイオニアとして
20世紀を代表する作曲家の一人です。